2008/02/06

夜の一方通行

冷房のきいたタクシーの窓ごしに新しい町を確かめようとするんだけど街は意外と暗く、たまに交差点のうす暗いバーの前にぽつぽつ人がいるのみ。しかもほぼ全ての道が一通で、この夜の一通の「引き返せない感」がちょっと怖い。絶対に止まってはいけない、という静かな脅迫感に迫られる。

そう言えばマラケシュに着いたのもミラノに着いたのも夜だった。マラケシュでは蛇使いのいる屋台広場をスーツケースをひいて横断し、肩幅いっぱいの小道を通ってホテルに着いた。ミラノではシャッターの閉め切られた凍える灰色の街を通って駅前の安宿にたどり着いた。そこのエレベーターはそれまで経験したことのない驚きの小ささだった。

夜に新しい土地に到着すると、そこに住む人たちの知らないうちにそっと街に忍び込んで、朝何事もなかった様に一緒に起きらる感じがして楽しい。

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